シムレーション思考・その3.(人間相互の間隔)
今から相当昔の話であるが、アメリカで黒人と白人がいがみあっていた頃のアメリカの映画の話。
何らかの事情で黒人と白人が手錠で繋げられ、二人は一緒に逃げなければならないという条件設定の中での、二人の関係。逃げるという点では協力しなければという関係が続くうちに、奇妙な友情が沸いてくるという心理描写が面白い映画だった。
最近の非常に混んだ電車の中では、お互いに顔;目が合わないように努力することになる。相互の距離が非常に近くなると、何とか其のことから逃れようとするのだ。どの様な深層心理から、そうするのか私にはよくわからないが、何方か教えて頂けないものかと思う。
シムレーション思考・その4(速度と感覚)
1.戦争中に応召で戦地に赴くことになり、足を撃たれたが、命は失わずに帰国した方に伺った話。
撃たれた弾丸は足の脛のところに残したままにしていて、わけを伺うと、そのままの状態で安定しているので、いまさら手術をしない方がよいとのこと。そんな人、沢山いますよと言われてしまった。それと、撃たれた時には全く何の痛みも感じないとの事。
2.西部劇の映画などでも、バンバン撃合う風景では、ゲームの様で、余り深刻にも残虐にも感じない。一方、ナイフでゆっくりと顔をさすりながら、相手を脅かすシーンなどは、はらはらと、そして残酷に感じる。
思うに、人間の神経感覚はある速度を越すと、感じる暇がなくなってしまうということらしい。思うに昔むかしの原始人だったころには、他の動物と闘ったりしてきたが、弾丸のようなものに出会ったりしなかったから、人間の”本能神経” にはそんな速さに対応する能力は組み込まれていなかったのではないかと思う。