蚊語がわかれば
@:プロローグ:
宇宙のほんの一部の太陽系、その太陽を頼りにして生きてきた動植物のホンの一つの種属の人間。その歴史の中のほんの一人の私。
A:蚊語がわかれば:
一寸の虫にも五分の魂と言う言葉がある。蚊は子供を生む前に生血を吸い専用の胃袋に収める。子供を生むときのエネルギーはそこから補給される。だから、その頃に生ると蚊は必死なって人間に食いつくわけだ。蚊と広い意味での会話が交わせれば、“蚊さん、蚊さん、此処に美味しい食べ物を用意したから、私に食いつかないで”と話し合いをつけることが出来るはずだ。小判鮫と親鮫の関係は見事だ。小さい鮫が大きな鮫の背中の掃除係りを務めて共存している。コンピューターがもっと発達して蚊の鳴声の超音波を分析すれば、意味を解読する事ができるようになるだろう。
B:菌との対話は
菌との対話はもっと難しいだろう。戦後のアメリカから入ってきた抗生物質は凄い発明と思った。しかし、考えて見れば菌の立場から見れば、仲間を裏切って人間側についた憎き敵だ。喉に食いつく風邪菌を、足の裏の固い肉にでも誘導でできれば、風邪菌も小判鮫になる。こんな発想で研究する頭の柔らかい医学研究者が現れないものだろうか ?
抗生物質と同時に戦後にアメリカから入って来た薬にDDTというのがあった。戦後の貧困で不清潔な環境の結果、当時は誰でも毎晩蚊と蚤と虱に悩まされていた。ある日、進駐軍が空から大量のDDT を散布し、あっという間に蚊も蚤、虱も消えた。しかしである。毎日口に入れる野菜も汚染されてしまった。