悪魔に魂を売ると大変! ,散歩道 [2005/03/27,21:52:12] No.271
一つ年上の私の姉は小さいときから童話とか小説を読むのが大好きだった。そして時々私に童話を聞かせてくれた。細部は覚えていないのだが子供心にも怖かった話が、「悪魔に魂を売った子供」の話。多分私が3歳か4歳の頃のこと。
悪魔にささやかれて自分の魂を売ると、美味しい食べ物や、綺麗な着物が着られると言う話。私の3,4歳の頃は昭和の初めで、皆貧乏で食べ物も禄に食べられない時代であった。
一つしかない魂を悪魔に売った子供の話。初めは何でも美味しいものが食べられ、こんな着物を着たいと願うと、その着物がいつの間にか目の前に現れる。この世は天国と喜んで毎日暮らしていた。ある日のこと、自分の友達に美味しい食べ物を分けようと思ったり、あそこに行きたいと思ったら体が思うように動かない。悪魔が囁くには “お前は魂を売ったのだから、私の言う通りにしなさい。勝手なことは出来ない体になっているのだよ!” と。
正確な内容は覚えていないのだが、子供心にも怖い話だと今でも思い出す。
先に寄稿した「この世は天国」で、“物質的にこんなに豊かになったのに、誰も幸福とは感じていないのは何故だろう” と書いた。その理由は、きっと日本人は終戦後に魂を悪魔に売って物質的豊かさを求めたからではないか。姉の言う通り悪魔に魂を売ると、取り返すのはとても難しい。
2005.3.27. 散歩道