地すべりと長期振動ーー動物の感覚を失った人間

@:福島の地震の時に、東京の高層ビルの上の階では、数分に及ぶゆっくりした長期振動が観測されている。すぐに発表して、研究もすべきだったと今頃テレビで騒いでいる。高度の振動検出器など無い大昔の人間が持っていた感覚を、今は忘れてしまった。

A:しかし、少し前の時代には、忍者の”地獄耳”というのがあた。筒のようなものを地面にあて、一端に耳を当てれば、地面からくる低い音、振動を聞き取るのが、”地獄耳” だ。ミミズが動けば地震が来るというのは本当の話だ。
全てが自動化されて機械に頼る様になっ現代人は、祖先から受け継いだ本能的機能をすっかり忘れてしまった。

B:物理的にこれらの現象をのべると次のような事になる。

地震により地球の表面に起きた地面の振動は、次々と隣の地面に振動を伝える。上下方向の振動はお互いの上下摩擦で比較的に速やかに減衰してしまう。一方、前後方向は押し引きだから、比較的遠くまで伝わる。福島の前後方向の振動は延々と東京まで伝わります。

C:その長期振動の話が出てこないのが不思議に思っていたら、やっとテレビで報道され始まりました。ゆっくりの弱い動きですから人間はちょっと感じにくくなりますが、何か気持ちの悪いふわーっとした感じがある筈です。その通りのことが、やっとテレビで騒がれ始めました。