便利な事はいいことか・その1

ちょっとコインを入れて、ボタンを押すとすっとコーヒーでもお茶でも出てくる。
かなり美味しい弁当とかスープ等もあっさり手に入る。有り難い便利な世の中になったものだ。一年もかかって作ったお米も、よりどり好みで手に入り、電気がまでスイッチを入れれば数十分後には、美味しい御飯が食べられる。

こんなに便利に美味しい食べ物が手に入っても、一人でひっそり食べると侘しい。

時折何かの会合でやや難しい勉強会が終わった後で、、材料を各自が買ってきて、皆んなでわいわい言いながら、共同で食事を作って食べることがある。相当混乱して大変なのだが、わいわい食事はめっぽう美味しい。散歩道


便利なことは良いことか・その2:本田宗一郎さんの思い出

始めて電話した会社から、よく、”いつもお世話様になっています” と言う言葉を聞く。便利な言葉を使って応対を無難にこなしている積りでしょうが、こんな現代の風潮には、なにか心に空しい思いが伝わってくる。

バイクから始めて大きな自動車会社にまで発展させた本田宗一郎さんは技術の基本を忠実に追及した方として有名だ。

その本田宗一郎さんとは、共通の会議で20年近く毎月お会いする機会があった。お会いするたびに、冗談話の中に、実は心に残るお話をいくつか伺った。

手紙の書き出しに ”拝啓、いつもお世話になっていますーーー”という決まり文句は誰でも使っていて、これを使えば無難で、”便利”ではある。しかし、本田さんは、”俺はこんな、心にもない言葉を使うのは、どうも苦手で、手紙の出だしの文句はいつも困っているんだ!”と。本田さんはスパナを振り回して技術の追求に夢中になっていた事で有名だが、心の奥にはきめ細かい優しいものが隠されているのだ。