子供の情景- -落ち葉拾い


もう大分昔の事。武蔵野の一角、三鷹駅に向かう広い道を、よく歩くことがあった。秋になると、この辺には沢山の葉っぱが道端に落ちていて、何か昔の絵本に出てくる牧歌的な風景の中を歩いているような気がしてくる。

ふと前を見ると母親に手を持たれながら付いてゆく子供を見かける事がある。大抵の子供は、母親の手を離さないようにしながらも、体を斜めして、道端の葉っぱを一生懸命何度も何度も拾おうとする。巧く拾い上げると、暫くして、せっかく拾った葉っぱをぱっと捨てて、また、新しく拾う作業を努力をし始める。

何とも素晴らしい、子供の好奇心と努力の気持ちが伝わって来る。そんなことには大人は興味を持たないのだが、子供にすれば納得するまで、何度もそんな動作を飽きずに続ける。こんな光景を見ると、その子供の姿を思い出して何とも楽しい一日になるのだった。散歩道